こんにちは。
勉強嫌い・苦手な子どもに
勉強の面白さを伝える家庭教師の
伊藤文嗣です。
前回の記事で、
『ビー玉3個とおはじき5個あわせて何個か?』
という問題の答えとして、
「あわせて8個」
とするには、『抽象化/具体化』というプロセスが必要であることを書きました。
今日は、人類だけが持っている才能である、この『抽象化/具体化』について書きますので、少しだけお付き合いください。
ところで、抽象化とは? 具体化とは?
抽象化とは、物事を抽象的にしていくこと。
具体化とは、物事を具体的にしていくこと。
説明になってませんか(笑)?
辞書によると
抽象的とは
”いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま”
のことで、具体的とは
デジタル大辞林より
”実際に形や内容を備え、はっきり知ることができるさま”
のことだそうです。
具体的な例で『リンゴ』について考えてみます。
『リンゴ』をどんどん抽象化していくと、『果物』→『食べ物』→『有機物』とかになっていきます。
また、どんどん具体化していくと、『長野県産』『青森産』とかの産地や、『フジ』『シナノゴールド』などの品種、などになるでしょうか。
どんな風にすごいの?
さて、この『抽象化/具体化』が人類の進歩にどう貢献したのかということです。
ここに、A,B,C,Dという4つの問題があり、
そのうち、AとBは全くの新規の問題で、まだ答えがなく、
CとDは既知の問題で、答えがわかっているものとします。
そして、このA,B,C,Dの4つの問題が『E』というものに抽象化できたとします。
この抽象化できた世界『E』で、CやDで使えた答えをAやBに使えないか、とその解法をAやB用に『具体化』していきます。
もちろん、一回でうまくいかなければ、また抽象化・具体化をくり返して問題に挑戦します。
そして、最後はA,Bという新規の問題を一気に解決することができる、ということになります。
こんな感じで、人類は様々な問題を一気に解決することができたので、他の動物にくらべて大きな進歩を達成できたというわけです。
頭の良さの指標としてよく使われる『IQ』は、『どれくらい抽象的に物事を考えることができるか』という指標でもあります。
これだけ複雑なプロセスを経ないと、『ビー玉3個とおはじき5個あわせて8個』が正しいと言うことを厳密には説明できません。
さすがに、小学生の1年生や2年生にこれをわからせるのはたいへんなので、学校では
「ま、いいか」
となるわけです。
まとめ
まとめますと、
- 抽象化/具体化をつかうことで、人類は新規の問題を解決できた
- 抽象化して問題をまとめると、複数の問題を一気に解決することができた
というわけで、この『抽象化/具体化』というのはすごいことなんです。
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おまけ
今回の『ビー玉3個とおはじき5個あわせて何個?』という問題以外にも、
「本当はさ…」
と、学校の先生方が泣く泣くスルーしている問題はいっぱいあります。
この辺はまた別の機会にまとめて書いてみます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。